Backlog(バックログ)は、株式会社ヌーラボが提供する国内発のプロジェクト管理・タスク管理ツールです。2005年にリリース以降、日本国内のBtoB企業を中心に1.6万社・23万ユーザーが導入しており、国産プロジェクト管理ツールの代表格として定着しています。
BacklogはもともとIT開発者向けに作られたツールですが、2026年時点ではWebサイト制作・コンテンツ制作・マーケティングプロジェクト・イベント運営・顧客サポートなど、幅広いBtoBプロジェクト管理で活用されています。「日本語UIで直感的」「ガントチャート・Wiki標準搭載」「取引先招待が手軽」という強みが評価されていますが、「プラン選定が難しい」「プロジェクトが増えて管理不能」「GitリポジトリとGitHubの使い分けで迷う」という声も多くあります。本記事ではBacklogの基本機能・料金プラン・BtoB運用のコツを、当社がBtoB支援の中で蓄積した実務視点で整理しました。
BacklogのBtoB活用で実現できること
Backlogは単なる課題管理ツールではなく、プロジェクト管理に必要な機能を統合したプラットフォームです。
BtoBでのBacklog主要用途
- プロジェクトの課題・タスク管理
- ガントチャート・カンバンボード・バーンダウンチャート
- Wikiによるドキュメント・ナレッジ管理
- Gitリポジトリ・Subversionリポジトリ(コード管理)
- ファイル共有
- お知らせ・スター機能
- マイルストーン・バージョン管理
- 親子課題による大規模タスク分解
- API連携・Webhook
特に制作会社・広告代理店・Web開発受託・社内情報システム部門で「クライアントと共同利用するプロジェクト管理基盤」として高いシェアを持っています。
関連サービス: BtoBマーケティング支援・業務設計支援
Backlogと他PMツールの比較
| ツール | 月額目安 | 強み | 弱み |
|---|---|---|---|
| Backlog | 2,970円〜 | 日本語UI、Wiki統合、Git対応 | 海外プロダクトと比較し機能の尖りは弱め |
| Jira | 1,000円〜/ユーザー | アジャイル機能の深さ、連携豊富 | 設定が複雑、非エンジニア向きでない |
| Asana | 1,780円〜/ユーザー | UIが洗練、クリエイティブ向き | Git連携なし、日本語情報少ない |
| Notion | 1,650円〜/ユーザー | ドキュメント+DB統合 | 大量データ遅い、PMは簡易 |
| Trello | 無料〜 | シンプル、カンバン特化 | 大規模PMには機能不足 |
Backlogは「日本のBtoB組織で開発+制作+マーケを横断的に管理したい」ニーズに対して、最も定着率が高いツールです。
Backlogの料金プラン
2026年時点の料金プランを整理します。
主要な3つのプラン
| プラン | 月額 | ユーザー上限 | プロジェクト上限 | ストレージ | ガントチャート |
|---|---|---|---|---|---|
| スターター | 2,970円 | 30名 | 5プロジェクト | 1GB | 対応 |
| スタンダード | 17,600円 | 無制限 | 100プロジェクト | 100GB | 対応 |
| プレミアム | 82,500円 | 無制限 | 無制限 | 300GB | 対応 |
| プラチナ | 82,500円〜 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 対応 |
料金は月額固定型で、ユーザー追加による追加課金はありません。30日間の無料トライアルあり。
BtoB企業のプラン選定基準
- 5名未満・単一プロジェクト: スターター(月2,970円)
- 10〜30名・複数プロジェクト: スターター、または拡張時スタンダード
- 30名超・複数案件並行: スタンダード(月17,600円)
- 100名超・大規模プロジェクト: プレミアム(月82,500円)
ヌーラボの提供するCacoo(作図ツール)やTypetalk(チャット)との統合ツールセット「Nulab Pass」で契約すると割引が適用される場合があります。
ゲストユーザーの扱い
Backlogでは取引先・クライアントをゲストユーザーとして招待可能ですが、ゲストも通常ユーザーとしてカウントされます。ChatworkのようにFreeプランで招待できる仕組みではないため、社外との協業ではスターターの30名上限に注意が必要です。
Backlogの基本的な使い方
ステップ1 スペース作成とプロジェクト設計
Backlog公式(nulab.com/ja/services/backlog)から登録し、組織ごとに「スペース」を作成します。スペース下に複数プロジェクトを配置する構造です。
プロジェクト設計の基本:
- クライアント別に1プロジェクト(BtoB制作・開発受託の場合)
- 製品別に1プロジェクト(SaaSの場合)
- 部門別に1プロジェクト(社内運用の場合)
ステップ2 課題(タスク)の作成と管理
Backlogの中核機能が「課題」です。Jiraで言うIssue、Asanaで言うTask相当。
課題作成時の主要項目:
- 件名・詳細(Markdown対応)
- 種別(タスク・バグ・要望など自由定義)
- 状態(未対応・処理中・処理済み・完了)
- 優先度(高・中・低)
- 担当者・関係者
- 期限日
- マイルストーン
- カテゴリー
課題はカンバンボード・リスト・ガントチャートで可視化できます。
ステップ3 マイルストーンとバージョン
プロジェクトの節目をマイルストーンで管理します。
- マイルストーン: スプリント・リリース・フェーズの区切り
- バージョン: プロダクトのバージョン番号
課題をマイルストーンに紐付けることで、「このマイルストーンで解決すべき残課題は何件か」をバーンダウンチャートで可視化できます。
ステップ4 ガントチャート
プロジェクトのスケジュールを視覚的に管理します。
- 課題の開始日〜期限日を自動でタイムライン表示
- 担当者別・マイルストーン別に絞り込み
- 依存関係の矢印表示
- 進捗バーでタスク完了率表示
非エンジニアにも理解しやすいビジュアルで、クライアントとの進捗共有に便利です。
ステップ5 Wiki機能
プロジェクトごとにWikiを作成できます。
- Markdown記法対応
- 目次自動生成
- 画像・添付ファイル
- バージョン履歴
- ページ間リンク
プロジェクト規約・議事録・ドキュメント・FAQをWikiで管理することで、後から参加したメンバーのキャッチアップがスムーズになります。
ステップ6 Gitリポジトリ連携
プレミアムプランでGit/Subversionリポジトリが利用可能です。
- プロジェクト内にリポジトリ作成
- Pull Request(プルリクエスト)機能
- コードレビュー・マージ
- ブランチ管理
- 課題とコミットの紐付け
GitHub/GitLabと同等の基本機能が使えますが、CI/CDやパブリックリポジトリ公開機能は限定的です。
BacklogのBtoB運用で押さえる7つの機能
1 親子課題(階層タスク)
大きなタスクを親課題、その中の細タスクを子課題として階層管理できます。「Webサイトリニューアル」という親課題の下に「デザイン設計」「実装」「QA」の子課題を置く形です。
2 カスタム属性
プロジェクト固有の項目を追加できます。クライアント向け案件管理なら「案件金額」「契約期限」「担当営業」等を追加して、課題と合わせて管理できます。
3 お知らせとスター機能
重要な情報をプロジェクトメンバーに通知するお知らせ機能、自分が気になる課題をマークするスター機能。通知を整理する役割を担います。
4 テンプレート機能
繰り返し発生するプロジェクト(月次リリース・定期レポート等)は、プロジェクトテンプレートや課題テンプレートでゼロから作る手間を省けます。
5 API連携とWebhook
Backlog APIで外部システムと連携できます。
- Slack/Chatworkへの自動通知
- GitHubとのコミット連携
- 勤怠システムとの連携
- カスタムBotの構築
2026年時点でMCP(Model Context Protocol)対応も始まり、ClaudeやChatGPTなどのLLMからBacklogデータを参照できます。
6 ファイル共有とシンクロ
プロジェクト単位でファイル共有機能があります。バージョン管理付きでアップロード・ダウンロード可能。大容量の設計書やクリエイティブ素材の共有に便利です。
7 見える化ダッシュボード
プロジェクト全体の進捗、メンバー別負荷状況、マイルストーン達成率を可視化。マネジメント層が毎朝ダッシュボードを見て、ボトルネックを察知できる運用が実現します。
Backlogの導入でつまずきやすい7ポイント
1 プロジェクト分割基準の曖昧さ
「何を1プロジェクトとするか」の基準が曖昧だと、後からプロジェクトが乱立し管理不能になります。クライアント別・製品別・部門別など、統一基準を初期に決めることが重要です。
2 スターター上限30名の早期到達
社外のクライアントやパートナーをゲストとして招待するとすぐに30名上限に到達します。プラン拡張のタイミングを見落とすと、新メンバー招待できなくなります。
3 ガントチャートの更新メンテナンス負荷
課題が増えるとガントチャートの更新が煩雑に。期限・担当者の定期的な見直しと、「古い課題の自動クローズ」ルール化が必要です。
4 Wikiと他ドキュメントの二重管理
BacklogのWikiとNotionやGoogle Docsで同じ情報を管理するケース。どのツールを正規版とするかを明確化する必要があります。
5 Gitリポジトリの選定迷い
プレミアムプランでBacklog Git、または GitHub/GitLabを併用する選択を迷うケース。オープンソース公開・CI/CDが必要ならGitHub、社内限定で統合管理したいならBacklog Gitが基本的な選定基準です。
6 クライアント共有時のセキュリティ
社外ゲスト招待時、誤って機密情報が含まれる課題・Wikiへのアクセス権を付与するリスク。プロジェクト分離と権限管理を厳密に行います。
7 モバイルアプリの機能差
モバイルアプリではWiki編集・ガントチャート表示・大量課題の一括操作が限定されます。管理業務はPC版が前提です。
【独自】BacklogでBtoBプロジェクト管理を最大化する5つのコツ
当社がBtoB企業のBacklog運用を支援する中で蓄積した、一般的な使い方解説には載っていない運用Tipsをまとめます。
1 「プロジェクトテンプレート」で立ち上げを爆速化
類似プロジェクト(Webサイト制作・システム開発・キャンペーン等)のテンプレートを作成し、新規案件開始時にコピーする運用。案件ごとの立ち上げ時間が数時間→数十分に短縮されます。
2 課題の命名規則を全プロジェクトで統一
「[機能]内容」「[クライアント指摘]内容」等のprefix統一で、課題一覧の視認性が大幅向上。検索時も効率化します。
3 週次「Backlog Review Meeting」を定例化
週1回、プロジェクトマネージャーとメンバーでBacklog課題を一緒に見る定例を設定。進捗確認・優先度調整・ブロッカー解消をBacklog上で直接行うことで、CRMと同様にBacklogへの入力動機が強化されます。
4 SlackやChatworkとの自動連携で通知を最適化
Webhookで重要イベント(課題作成・ステータス変更・コメント等)をSlackやChatworkに自動通知。Backlogを毎時チェックしなくても重要な動きが分かります。
5 クライアント向け「報告プロジェクト」を別スペースで運用
社内作業用のプロジェクトと、クライアント向けの報告プロジェクトを分離。クライアントには「完了したもの」だけを共有するプロジェクトを作り、社内進行中課題の見せたくない部分を分離できます。
関連サービス: BtoBマーケティング支援・業務設計支援
Backlog運用のよくある質問
Q 導入から本格運用まで何ヶ月かかる?
標準的に1〜2ヶ月です。初期設定とプロジェクト設計に2〜3週間、現場試行運用に1ヶ月、改善サイクルで1ヶ月を想定します。
Q GitHubとBacklog Gitはどう使い分けるか
オープンソース公開・CI/CD統合・GitHub Actionsを活用するならGitHub。社内限定で、課題管理と一元化したいならBacklog Gitが推奨です。
Q Backlogを他ツールから乗り換えできるか
Redmine・Jira・Asana・Trelloからのマイグレーションツールが提供されています。データ移行は可能ですが、ワークフロー・ステータス設計の再構築が必要です。
Q APIやMCPの活用は難しいか
APIは REST形式で、OpenAPI仕様書が公開されています。標準的なAPI利用スキルがあれば、Slack通知・GitHub連携・カスタム自動化は数日〜数週間で構築可能です。2026年時点でMCP対応も始まっており、LLMからのデータ参照も可能です。
Q 日本語サポートと対応時間は?
ヌーラボが国内企業のため、日本語サポートは手厚く、平日9:00〜18:00での対応が標準です。
まとめ:BacklogはBtoBプロジェクト管理の国産スタンダード
Backlogは、日本のBtoB組織で「開発+制作+マーケ+社内プロジェクト」を横断的に管理したいニーズに最適なプロジェクト管理ツールです。親しみやすい日本語UI、Wiki・Git統合、取引先を含めた協業設計で、多くの国内企業で活用されています。
プロジェクト分割基準の明確化・プラン選定・クライアント共有の分離・他SaaS連携の5点を押さえれば、Backlogの本来の価値を最大化できます。プロジェクトテンプレート・命名規則・週次レビューで運用を定着させることが成功への鍵です。
当社では、BtoB企業のBacklog導入設計、プロジェクト分割基準の整備、運用定着化、SlackやChatworkとの連携までワンストップでご支援しています。「Backlogを導入したが活用が定着しない」「社内外プロジェクトの管理基盤を整えたい」とお悩みの方はお気軽にご相談ください。
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