kintoneのBtoB活用ガイド 営業管理・案件管理・稟議ワークフローの使い方
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kintoneのBtoB活用ガイド 営業管理・案件管理・稟議ワークフローの使い方

執筆: ローカルマーケティングパートナーズ 編集部

監修: 山本 貴大

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kintone(キントーン)は、サイボウズ株式会社が提供する業務アプリ構築プラットフォームです。ノーコードで自社の業務に合わせたアプリを作成でき、顧客管理・案件管理・稟議ワークフロー・プロジェクト管理など幅広い用途で活用されています。2011年のリリース以降、国内で3万社以上のBtoB企業が導入し、日本のノーコード業務ツールの代表格となっています。

BtoB企業にとってkintoneは「SalesforceやHubSpotほど高機能でなくてもよいが、Excel管理では限界がある」という中間ニーズにぴったりハマる位置付けです。ただし「どのアプリから作ればよいか分からない」「プラグインが多すぎて選べない」「運用定着しない」という声も多く、導入後に活用が停滞するケースも少なくありません。本記事ではkintoneのBtoB活用における基本機能・料金プラン・おすすめアプリ設計・運用定着のコツを、当社がBtoB企業の業務基盤構築を支援する中で蓄積した実務視点で整理しました。

kintoneとは:ノーコードで業務アプリを作れるプラットフォーム

kintoneは、サイボウズ株式会社が開発・運営するクラウドベースの業務アプリ構築プラットフォームです。プログラミング知識がなくても、ドラッグ&ドロップの操作で自社の業務に合わせたアプリを作成できます。

kintoneで実現できる業務

標準機能とプラグイン・外部連携を組み合わせることで、以下の業務を1つのkintone上に集約できます。

  • 顧客管理(CRM)
  • 案件管理(SFA)
  • 営業活動履歴
  • 見積書・契約書管理
  • 稟議ワークフロー
  • プロジェクト管理
  • タスク管理
  • 人事・勤怠管理
  • 請求管理
  • 在庫管理
  • 問い合わせ管理

BtoB企業では特に「営業管理+稟議+案件管理」の組み合わせでの導入が多く、Excel+メールでの属人的管理から脱却する最初のステップとして活用されています。

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kintoneの他ツールとの違い

kintoneのポジショニングを他のBtoB業務ツールと比較すると以下です。

製品価格帯特徴向いている企業
kintone780円〜/ユーザーノーコードで汎用的中小〜中堅、業務特化の柔軟性を重視
Salesforce3,600円〜/ユーザー営業特化CRM/SFA中堅〜大企業、営業組織の高度化
HubSpotFree〜マーケ+営業+CS統合スタートアップ〜中堅
Microsoft 3651,500円〜/ユーザーOffice統合+Power PlatformMicrosoft環境中心の企業
サイボウズ Office500円〜/ユーザーグループウェア中心小規模企業

kintoneは「SFA/CRMに特化せず、業務全般を柔軟にカバー」というポジションが強みです。BtoB営業組織の高度化にはSalesforce、マーケ〜営業統合にはHubSpot、全社業務基盤にはkintoneという使い分けが一般的です。

kintoneの料金プラン

kintoneには3つのプランがあります。BtoB本格活用にはスタンダード以上が推奨です。

3つの料金プラン(2026年時点)

プラン月額(1ユーザー)作成アプリ数カスタマイズAPI連携
ライト780円200まで不可不可
スタンダード1,500円1,000まで可能(JS/CSS/プラグイン)可能
ワイド3,000円無制限可能可能(大規模)

最低契約は5ユーザーから、年間契約が基本です。税抜価格で、月払いオプションもあり(若干割高)。

スタンダード以上を選ぶべき理由

BtoB企業でkintoneを本格運用するなら、スタンダード以上が推奨です。理由は以下です。

  • プラグインが利用可能(案件進捗可視化・ガントチャート・帳票出力等)
  • JavaScriptカスタマイズで業務フローを最適化可能
  • API連携で他システム(Salesforce、Slack、会計ソフト等)と自動同期
  • REST API・Webhookで外部システム連携可能

ライトコースは「まず試したい」段階の小規模運用に向きますが、業務の本格運用には機能制約が大きいです。

プラグインと追加料金

kintoneの強みの1つが、サードパーティ製プラグインの豊富さです。代表的なプラグインの料金目安は以下です。

  • 案件進捗プラグイン: 月5,000円〜/ドメイン
  • ガントチャートプラグイン: 月10,000円〜/ドメイン
  • 帳票作成(プリントクリエイター): 月10,000円〜
  • 外部サービス連携(kMailer等): 月10,000円〜
  • フォームブリッジ(外部フォーム連携): 月5,000円〜

月額のプラグイン費用を合計すると、kintone本体費用と同程度になるケースもあります。必要な機能を見極めて導入することが重要です。

kintoneのBtoB活用:6つのおすすめアプリ設計

BtoB企業がkintoneを導入する際、最初に作るべきアプリを優先度順に整理します。

アプリ1 顧客管理アプリ

最も基本となるアプリです。Excelの顧客リストをkintoneに移行する形で開始します。

設計項目:

  • 会社名・住所・電話番号・業種
  • 代表者・担当者情報
  • 取引履歴・ステータス
  • 担当営業・最終接触日
  • 関連案件(ルックアップで案件アプリと連携)

顧客ごとに活動履歴・案件・見積を紐付けることで、顧客の全体像が一画面で把握できるようになります。

アプリ2 案件管理アプリ

案件(商談)ごとの進捗を管理します。

設計項目:

  • 案件名・顧客(ルックアップで顧客アプリと連携)
  • 案件ステージ(初回訪問→提案→見積→受注/失注)
  • 見込み金額・受注予定日
  • 担当営業・次アクション
  • 関連活動履歴

進捗ステータスをステータスフィールドで管理し、一覧画面で進捗が視覚的に分かる設計にします。

アプリ3 活動履歴アプリ

営業の日々のアクションを記録します。

設計項目:

  • 活動日時・活動種別(訪問・電話・メール・オンラインMTG)
  • 関連顧客・関連案件
  • 活動内容(テキスト)
  • 次アクション・期限
  • 担当者

このアプリを案件管理と連携させることで、「案件の状況」と「直近いつ誰が何をしたか」が一緒に見えるようになります。

アプリ4 稟議ワークフローアプリ

BtoB企業で頻出するのが、予算・契約・投資の稟議フローです。

設計項目:

  • 稟議種別(投資・契約・人事・経費)
  • 申請内容・金額・期限
  • 承認フロー(申請→部長→役員→社長)
  • プロセス管理機能で承認フローを自動化
  • 添付資料(見積書・契約書等)

kintoneのプロセス管理機能で、承認ステップを視覚的に設定できます。承認者ごとの承認/差し戻しが記録され、監査証跡も自動で残ります。

アプリ5 見積・契約管理アプリ

営業プロセスで発行する見積書・契約書を一元管理します。

設計項目:

  • 見積番号・顧客・案件
  • 見積内訳(明細テーブル)
  • 合計金額・有効期限
  • ステータス(作成中・送付済・成約・失注)
  • 関連契約書PDF

プリントクリエイターなどの帳票プラグインと連携することで、kintoneから直接見積書PDFを生成できます。

アプリ6 タスク管理アプリ

日々のタスクを管理します。

設計項目:

  • タスク名・担当者・期限
  • 優先度(高・中・低)
  • ステータス(未着手・進行中・完了)
  • 関連案件・関連顧客

Slackや他ツールと連携して、タスクの通知をリアルタイムで受け取る運用も可能です。

kintoneの基本的な使い方

初めてkintoneを使う際の操作手順を整理します。

ステップ1 アプリの作成

管理者画面から「アプリを作る」を選択し、以下のいずれかで作成します。

  • はじめから作る(白紙のアプリ)
  • テンプレートから作る(サイボウズ提供のテンプレート100種類以上)
  • Excelから作る(Excel列からフィールドを自動生成)
  • 他のアプリを再利用

テンプレートは「顧客管理」「案件管理」「営業日報」「問い合わせ管理」等が用意されており、最初の1本はテンプレート流用がおすすめです。

ステップ2 フィールドの設計

フィールドタイプを選んで配置します。

  • 文字列(1行・複数行)
  • 数値・計算
  • 日付・時刻
  • ドロップダウン・ラジオボタン・チェックボックス
  • ユーザー選択
  • テーブル(明細行)
  • 関連レコード(他アプリと連携)
  • ルックアップ(他アプリからデータ参照)
  • 添付ファイル

フィールドの配置はドラッグ&ドロップで変更可能です。

ステップ3 一覧画面と絞り込みの設定

アプリの一覧画面では、表示する列・絞り込み条件を自由にカスタマイズできます。

  • デフォルト一覧(全件表示)
  • 自分の担当分のみ
  • 今月成約分
  • ステージ別

「自分の担当分のみ」「今月受注予定」など、個別の業務シーンに合わせた一覧を複数作ることで、運用効率が大幅に向上します。

ステップ4 権限・アクセス制御

アプリ単位・レコード単位・フィールド単位で権限設定が可能です。

  • 管理者のみ編集可
  • 営業部門は閲覧・編集可、管理部門は閲覧のみ
  • 自分が担当するレコードのみ編集可

BtoB企業では「案件の受注金額は上司のみ編集可」など、役職・権限による細かい設定が求められるため、権限設計は初期段階で丁寧に行うことが重要です。

ステップ5 プロセス管理(ワークフロー)の設定

稟議・承認フローを自動化する機能です。

  • ステータス一覧(申請中→部長承認→役員承認→承認完了)
  • 各ステップの担当者指定
  • 承認/差し戻しの条件分岐
  • 通知メール設定

プロセス管理の設定により、手動で承認者に連絡せずともkintone上でフローが自動進行します。

kintoneでつまずきやすい7つのポイント

当社が支援する中で、kintone導入時に頻出する「つまずき」パターンをまとめました。

1 アプリを作りすぎて管理不能になる

kintoneは気軽にアプリを作れるため、各部署が独自に作り続けて「同じような機能のアプリが10個ある」状態になるケース。アプリ設計の統括責任者を立て、アプリ命名ルール・機能重複の棚卸しを四半期ごとに行う運用が推奨です。

2 フィールド設計の見直しで運用データが崩れる

フィールドタイプを後から変更すると、既存データが欠損するケースがあります。初期設計でフィールドタイプを慎重に選ぶこと、変更時は必ずバックアップを取ることが重要です。

3 ルックアップ・関連レコードの乱用

アプリ間の関連性を増やしすぎると、レコード読み込みが遅くなりUXが悪化します。関連レコードは「必ず参照が必要な項目」のみに絞り、過剰な連携を避けることが推奨です。

4 プラグイン増加でコスト超過

「便利だから」とプラグインを増やしすぎて、月額費用がkintone本体より高くなるケース。導入前にROIを試算し、代替手段(JavaScript開発・業務運用で対応可能か)を検討することが重要です。

5 JavaScript/CSSカスタマイズの保守不可

カスタマイズを外注し、担当者退職後にメンテナンスできなくなるケース。カスタマイズ内容のドキュメント化、コードのGit管理、他社依頼時の仕様書整備が必須です。

6 運用ルールの不徹底でデータ品質が低下

「担当者がレコードを作成するたびにフォーマットが違う」「必須項目を埋めずに保存される」ケース。必須フィールド設定・入力フォーマット統一・運用マニュアル作成が定着の鍵です。

7 kintone単独完結を目指して外部連携を放置

kintone内だけで完結させようとして、既存のExcel・Salesforce・会計ソフトとの連携を後回しにすると、二重入力が発生します。初期設計段階で連携すべき外部システムを洗い出し、API連携・CSV同期を計画することが重要です。

【独自】kintoneでBtoB業務効率化を最大化する5つのコツ

当社がBtoB企業のkintone運用を支援する中で蓄積した、一般的な使い方解説には載っていない運用Tipsをまとめます。

1 「業務フロー → アプリ設計」の順で検討する

アプリ設計から始めるのではなく、「現状の業務フロー」を可視化してから、どのフローをkintoneに移行するかを決めます。業務フロー図(スイムレーン図)を作成し、関係者全員で合意形成してから初めてアプリ設計に入ることで、運用定着率が大幅に向上します。

2 初期は「3アプリ」に絞ってスモールスタート

最初から10アプリ以上を作ると、運用が複雑化して現場が混乱します。顧客管理・案件管理・活動履歴の「3アプリのみ」でまず1〜2ヶ月運用し、現場が慣れたら追加アプリを展開するアプローチが推奨です。

3 週次の「kintone運用ミーティング」を設定する

導入初期3ヶ月は、週1回の運用ミーティングで「困っていること」「改善したいこと」「データ品質の問題」を議論します。現場からのフィードバックを即時反映できる体制を組むことで、定着までの期間を大幅に短縮できます。

4 ダッシュボードで全社共有する

kintoneのグラフ機能で案件進捗・売上推移・活動件数をダッシュボード化し、全社掲示板・週次朝会で共有します。全社員が数字を見る運用にすることで、データ入力の動機付けが強化されます。

5 「kintoneで全てやる」発想を捨てる

kintoneは万能ツールですが、マーケティングオートメーション・高度なBI分析・大量メール配信などは専用ツール(HubSpot・Tableau・SendGrid等)の方が優れています。kintoneは「コア業務管理」に絞り、他領域は専用ツールとAPI連携するハイブリッド運用が成果を最大化します。

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kintone運用のよくある質問

Q 導入から本格運用まで何ヶ月かかるか

標準的には1〜3ヶ月です。初期アプリ設計に2〜4週間、現場試行運用に1〜2ヶ月、改善サイクルで1ヶ月を想定します。大規模データ移行や複雑な業務フローがある場合は3〜6ヶ月かかることもあります。

Q 無料トライアルはあるか

はい、30日間の無料トライアルが提供されています。スタンダードコースの全機能を試用可能で、プラグイン・API連携も動作検証できます。トライアルで作成したアプリは本契約後もそのまま利用できます。

Q サイボウズパートナーを使うべきか

規模・業種によります。10名以下の企業で基本的な業務管理なら自社で構築可能ですが、50名以上で複雑な業務フロー・他システム連携が必要な場合は公認パートナーの支援が推奨です。パートナー費用は初期100万〜500万円、月次保守30万〜100万円が相場です。

Q SalesforceとkintoneはAPI連携できるか

可能です。サードパーティ製の連携ツール(DataSpider、krew、Asteria WARP等)で両者を双方向同期できます。Salesforceで営業組織の案件管理、kintoneでバックオフィス業務を管理するハイブリッド運用が多く見られます。

Q 他ツールからkintoneへの移行は可能か

Excel・SalesforceなどからCSVエクスポート→kintoneインポートが基本です。データ量が多い場合はAPI連携ツールを使った定期的なデータ連携も可能です。ただしExcelの数式・Salesforceのワークフローはそのまま移行できないため、業務ルールをkintoneの機能で再構築する必要があります。

まとめ:kintoneは「業務フロー可視化 → 段階的構築」が成功の鍵

kintoneはノーコードで業務アプリを構築できる強力なプラットフォームですが、「何でもできる」ゆえに導入目的・業務フロー設計が曖昧だと運用が発散します。導入前に現行業務のフロー可視化を行い、3アプリ程度でスモールスタートして段階的に拡張するアプローチが、運用定着の最短ルートです。

プラグイン追加・JavaScript/CSSカスタマイズ・API連携の順にステップアップしながら、現場の運用習慣とデータ品質を定着させることで、kintoneの本来の価値を発揮できます。

当社では、業種・事業フェーズに応じたkintone導入設計、アプリ設計コンサルティング、運用定着化の伴走支援まで、BtoBマーケティング戦略・営業プロセス・業務改善と統合した形でご支援しています。「kintoneを導入したが運用が定着しない」「営業管理とマーケの連携で混乱している」とお悩みの方はお気軽にご相談ください。

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よくある質問

Q. kintoneとSalesforceはどちらを選ぶべきですか?

A. kintoneは自社の業務プロセスに合わせてアプリを自由に作れる「ノーコード業務プラットフォーム」です。月額780円/ユーザー〜と比較的安価で、営業管理だけでなく稟議・人事・プロジェクト管理まで網羅的に使えます。Salesforceは営業プロセス特化のCRM/SFAで、商談管理の深さと拡張性では優位ですが月額3,600円/ユーザー〜と高めです。中小企業でマーケ〜バックオフィスまで統合したい場合はkintone、営業組織の高度化を重視する中堅〜大企業はSalesforceが選定の分かれ目です。

Q. kintoneの料金はいくらですか?

A. 2026年時点の料金は、ライトコース月額780円/ユーザー、スタンダードコース月額1,500円/ユーザー、ワイドコース月額3,000円/ユーザーの3プランです(年間契約、税抜)。最低5ユーザーから契約可能で、ライトコースは作成できるアプリ数に制限があります。スタンダード以上では、プラグイン・JavaScript/CSSカスタマイズ・API連携が利用可能です。BtoB企業で本格活用するならスタンダード以上の契約が推奨です。

Q. kintoneをBtoBで使う場合のおすすめ初期アプリは何ですか?

A. 顧客管理・案件管理・活動履歴の3アプリを最初に作ることを推奨します。この3つを関連レコード機能で連携することで、「どの顧客にどの案件を提案中で、直近いつ誰がどんなアクションをしたか」を一元管理できます。追加で稟議ワークフロー・見積管理・商談ステージ管理を足すと、営業〜受注〜請求までの業務フローを1つのkintone上で完結できます。

Author / Supervisor

山本 貴大

監修

山本 貴大

代表取締役 / 株式会社ローカルマーケティングパートナーズ

中央大学卒業。日系上場コンサルティング会社で3年勤務後、M&Aベンチャー執行役員を経て2022年に独立。BtoBマーケティング支援・FC加盟店開発・M&Aアドバイザリーを専門領域として、戦略設計から施策実行まで一気通貫で担う伴走型支援に取り組んでいる。

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