Chatwork(チャットワーク)は、Chatwork株式会社(旧:EC studio)が提供する国内発のビジネスチャットツールです。2011年のリリース以降、国内BtoB中小企業を中心に40万社以上が導入し、2026年時点で国内ビジネスチャットの代表的なプラットフォームとなっています。
BtoB企業にとってChatworkは「取引先とのスピーディな情報共有」「社内外のハブとなるコミュニケーション基盤」として活用されています。ただし「Freeプランだけで運用しようとして限界にぶつかる」「タスク管理機能が意外と使われていない」「社内SlackとChatworkの使い分けで迷う」という声も多いのが実情です。本記事ではChatworkのビジネス活用における料金プラン・主要機能・BtoB運用のコツを、当社がBtoBマーケティング・業務連携を支援する中で蓄積した実務視点で整理しました。
Chatworkのビジネス活用で実現できること
Chatworkは単なるチャットツールではなく、タスク管理・ファイル共有・音声通話・API連携を統合したビジネスコミュニケーション基盤です。
BtoBでのChatwork主要用途
- 社外取引先・協力会社とのコミュニケーション
- 社内部門間の情報共有
- タスク管理・依頼・承認
- ファイル共有・ドキュメント受け渡し
- 議事録・会議メモの保存
- 商談進捗の共有
- プロジェクトルーム(クライアントとの共同作業)
- API連携による業務自動化(CRM・勤怠・経理と連携)
特に「取引先と同じグループに入ってもらって案件を進める」使い方が、ChatworkがBtoBで広く採用される最大の理由です。
関連サービス: BtoBマーケティング支援
Chatworkと他ツールとの使い分け
Chatworkと他ビジネスチャットのポジショニングを整理します。
| ツール | 主要シーン | 強み | 弱み |
|---|---|---|---|
| Chatwork | 社外連携中心 | 取引先招待が簡単、タスク機能 | UIがやや古い |
| Slack | 社内チーム連携 | UX洗練、Bot/連携豊富 | 外部ゲスト招待が高額 |
| LINE WORKS | LINE感覚で社内外 | LINEと相互通信可 | 文化的にBtoC寄り |
| Microsoft Teams | Office統合環境 | Word/Excel/PPTと連携 | 社外連携はやや煩雑 |
| Google Chat | Google Workspace | Gmail/Drive連携 | 単体の機能が限定的 |
Chatworkは「社外コミュニケーションのハブ」として定着しており、クライアントワーク中心の業態(広告代理店・制作会社・コンサル・士業等)で特に強みがあります。
Chatworkの料金プランとビジネス選定基準
3つの料金プラン(2026年時点)
| プラン | 月額(1ユーザー) | 主な機能 |
|---|---|---|
| Free(フリー) | 無料 | グループチャット7つまで、メッセージ閲覧は過去40日 |
| Business(ビジネス) | 700円〜(年契約・税抜) | グループチャット無制限、タスク管理、ストレージ10GB |
| Enterprise(エンタープライズ) | 1,200円〜(年契約・税抜) | IP制限・SAML・外部連携制限・監査ログ |
料金は年間契約が基本で、月次契約は若干割高になります。最低契約人数の制限はなく、1名からでも契約可能です。
Businessプランが標準選択な理由
Freeプランはグループ数が7つまでに制限されるため、取引先が10社を超えるBtoB企業ではすぐに上限に達します。また、Freeプランのメッセージ履歴は過去40日のみ閲覧可能で、それ以前のメッセージは見れません。ビジネス利用には以下の観点でBusiness以上が必須です。
- グループチャット無制限(数百社の取引先ごとにルーム作成可能)
- メッセージ履歴無制限(過去のやり取りを検索可能)
- タスク管理機能
- ファイル管理機能
- 広告表示なし
年契約で月700円/ユーザー、月契約で月840円/ユーザーです。
Enterpriseプランが必要な業種
以下の業種・組織はEnterpriseの検討が必要です。
- 金融・保険・医療(機密情報の取り扱いが多い)
- 個人情報を大量に扱う業種
- 監査証跡が必要な業態(上場企業等)
- IP制限で社内ネットワーク外からのアクセスを制限したい
- SAML認証で社内SSOと統合したい
Enterpriseでは監査ログ・外部連携制限・高度なセキュリティ機能が利用可能です。
Chatworkの基本的な使い方
初めてChatworkを使う際の操作手順を整理します。
ステップ1 アカウント作成とチーム設定
公式サイト(go.chatwork.com)からメールアドレスで登録します。法人の代表アカウントを作成し、従業員を招待する流れが基本です。
初期設定:
- 会社名・プロフィール画像の設定
- タイムゾーン(Asia/Tokyo)設定
- 管理者権限の設定
- 契約プランの確認
ステップ2 グループチャットの作成
用途別にグループチャットを作成します。
- 社内プロジェクトルーム
- 取引先別ルーム
- 部門別ルーム
- 全社通知ルーム
- 事務局ルーム
グループチャット作成時に、参加メンバーを追加します。取引先は無料アカウントでも招待可能で、契約者側のBusinessプランと同じ画面でやり取りできます。
ステップ3 メッセージ投稿とメンション
メッセージは通常のテキスト入力で投稿します。以下の機能が活用できます。
- 宛先指定「To:」(特定メンバーへの送信)
- メンション「@」(通知を飛ばす)
- 引用「[qt]…[/qt]」
- 情報ボックス「[info]…[/info]」
- 太字・引用は独自記法(Markdown非対応)
- 絵文字・リアクション
メンションされたメンバーには通知が飛ぶため、重要な連絡・依頼に使用します。
ステップ4 タスク機能の活用
Chatworkの特徴的な機能が「タスク」です。グループチャット内で、特定メンバーに期限付きタスクを設定できます。
タスク作成:
- 担当者を選択
- 期限を設定
- 内容を記述
- 保存
タスクは担当者の画面に一覧表示され、期限が近づくと通知されます。完了時に担当者が「完了」ボタンを押すと、依頼者に通知が返ります。
ステップ5 ファイル共有と管理
グループチャット内でファイルを共有できます。
- ドラッグ&ドロップでファイル送信
- ファイル名・タイプで検索
- グループごとのファイル一覧表示
- Businessプランで10GB、Enterpriseで100GBのストレージ
PDF・画像・Excel・Word等、ビジネス系ファイルはすべて送信可能です。
ステップ6 音声通話とビデオ会議
Chatwork Live機能で音声通話・ビデオ会議が可能です(Business以上)。
- グループチャット内から直接通話開始
- 画面共有機能あり
- 1対1通話・グループ通話両対応
Zoom・Google Meetとの使い分けで、「軽量な内部打ち合わせはChatwork Live」「クライアントとの正式会議はZoom」という運用が推奨です。
ChatworkのBtoB運用で活用すべき8つの機能
基本機能を超えて、BtoB実務で活用すべき機能を整理します。
1 マイチャット
自分だけが見える個人用メモスペース。議事録ドラフト・タスクリスト・参考リンクの保存に活用します。他のメンバーには見えないため、考えを整理する作業場として使えます。
2 コンタクト管理
外部の取引先をコンタクトとして登録し、メッセージ送信履歴を一元管理できます。名刺管理ツールとの連携も可能です。
3 タスク一覧の横断閲覧
「自分のタスク一覧」で、全グループチャット横断で自分に割り当てられたタスクを確認できます。日次の業務管理に欠かせない機能です。
4 ファイル横断検索
グループチャット横断でファイル名・内容検索が可能です。「過去のあの見積書を探したい」時に即座にアクセスできます。
5 Webhook・Chatwork API
外部システムからChatworkへ自動メッセージ投稿ができます。
- 勤怠打刻時の通知
- CRMの案件更新通知
- エラー監視の自動アラート
- 定期レポートの自動投稿
APIドキュメント(developer.chatwork.com)に沿って実装します。2026年時点で、OAuth 2.0にも対応しており、よりセキュアな外部連携が可能になっています。
6 チャット連携アプリ
- Zapier連携で100種類以上のSaaSと統合
- Googleスプレッドシートへの自動記録
- Slack Bridgeで他チャットとの双方向連携
- Microsoft Teams連携
7 セキュリティ設定(Enterprise)
- IP制限(社内ネットワークからのみアクセス可)
- SAML SSO(Okta、Azure AD等との統合)
- 外部連携制限(特定のAPI接続のみ許可)
- 監査ログ(全アクション記録)
8 アーカイブとバックアップ
終了したプロジェクトのグループチャットをアーカイブし、UIから非表示化できます。データは保持されるため、後日の検索・閲覧は可能です。
ChatworkのBtoB導入でつまずきやすい7ポイント
1 Freeプランのまま使い続けて情報損失
Freeプランではメッセージ履歴が40日で消えます。重要案件のやり取りが失われるリスクを認識せず、後から課題になるケースが多発します。最初から Business契約が推奨です。
2 グループチャットの作りすぎで管理不能
取引先・案件ごとにグループを作りすぎて、数百〜千超のグループが乱立するケース。命名ルール(案件名_クライアント名_状態)の統一と、終了案件のアーカイブ運用が必須です。
3 タスク機能の未活用
多くの企業がメッセージだけでやり取りし、タスク機能を使っていません。タスク化することで「いつまでに誰が何をやる」が明確になり、対応漏れが激減します。
4 メンションの多用で通知疲弊
「@全員」を多用すると、メンバーが通知疲れでChatworkを見なくなります。本当に通知が必要な相手だけにメンションする運用ルール化が重要です。
5 マークダウン非対応による整形の弱さ
Chatworkは一般的なMarkdown記法に対応しておらず、独自記法([info][title][/title][/info]等)を使う必要があります。装飾が限定的で、長文ドキュメントには不向きです。長文は別途Notion/Google Docsで管理し、Chatworkではリンク共有に留めるのが実務的です。
6 ファイルストレージの超過
Businessプランは10GBまで。画像・動画ファイルの共有が多いと数ヶ月で上限に到達します。定期的に古いファイルをダウンロード→削除する運用、もしくはGoogle Drive/Dropboxとの併用が必要です。
7 モバイルアプリの挙動差
スマホアプリとPC版でUI・機能が異なります。特にタスク作成・ファイル検索はPC版が充実しており、外出先からのタスク依頼等には制約があります。
【独自】ChatworkでBtoB業務効率を上げる5つのコツ
当社がBtoB企業のChatwork運用を支援する中で蓄積した、一般的な使い方解説には載っていない運用Tipsをまとめます。
1 「グループ命名ルール」を初期に定める
グループ数が増える前に命名ルールを定めます。例: 「[社内] 部門名」「[案件] クライアント名_案件名」「[取引先] 会社名」。prefix区別でグループ一覧の視認性が大幅向上します。
2 タスク運用を「必須化」する
メッセージだけのやり取りを禁止し、アクション依頼は必ずタスクで発行するルール化。受け手の対応漏れが激減し、依頼者も「誰に何を依頼中か」が可視化されます。導入3ヶ月で業務効率が体感できる施策です。
3 API連携でCRMと自動連携
Salesforce/HubSpot等のCRMの案件更新を、Webhookで該当クライアントのChatworkグループに自動通知。営業の情報更新が社内に自動共有され、属人的な情報蓄積を防げます。
4 議事録テンプレートで会議を標準化
会議後に毎回「議事録テンプレ」(決定事項・ToDo・次回議題)を使ってChatworkに投稿するルール。情報の記録と共有が自動化し、後から「あの会議の決定事項は?」の検索が容易になります。
5 社内Slack + 社外Chatworkのハイブリッド運用
社内高速コラボはSlack、社外取引先コミュニケーションはChatworkという使い分けが実務最適解です。両者を Zapier/Make で連携し、重要な社外メッセージをSlackにも自動転送することで、情報ハブを二重化できます。
関連サービス: BtoBマーケティング支援・業務設計支援
Chatwork運用のよくある質問
Q 取引先がFreeプランでも大丈夫か
はい、問題なく会話できます。契約者側のBusiness/Enterpriseと、Freeの取引先が同じグループでやり取り可能です。Chatworkの特徴的な仕様で、他チャットツールと大きく異なる点です。
Q 過去メッセージの検索範囲は?
Business以上では無制限に過去メッセージを検索可能です。Freeは過去40日のみ。検索は日本語対応で、絞り込み条件(送信者・期間・グループ)を指定できます。
Q Chatwork APIの利用は無料か
Business以上で無料利用可能です。リクエスト数制限があり、1時間あたり300リクエスト/アカウントが上限です。業務自動化レベルの利用なら問題ありませんが、大規模なBotには設計配慮が必要です。
Q データのエクスポート・バックアップは可能か
Enterpriseプランで全データエクスポート機能が提供されます。Businessプランではグループ単位のエクスポートのみです。BCP・災害対策の観点で、重要データは定期的にエクスポートしておくことが推奨されます。
Q 日本語サポートと対応時間は?
公式の電話・メールサポートが日本語で提供されています。対応時間は平日9:00〜17:00。Enterpriseでは優先サポートも受けられます。
まとめ:ChatworkはBtoB社外連携のハブとして使いこなす
Chatworkは日本発のビジネスチャットとして、特にBtoB企業の「社外取引先との連携ハブ」として強力な武器になります。取引先がFreeプランでも同じ画面でやり取りできる仕様は、他ツールにはない大きな優位性です。
Business以上のプラン選定・グループ命名ルール・タスク運用・API連携の4点を押さえれば、組織のコミュニケーション効率は劇的に向上します。社内Slack・社外Chatworkのハイブリッド運用で、業態に合わせた最適解を構築できます。
当社では、業種・事業フェーズに応じたChatwork導入設計、タスク運用定着化、API連携による業務自動化、他SaaS連携までワンストップでご支援しています。「Chatworkを導入したがタスク機能を使えていない」「社内外のコミュニケーション基盤を整えたい」とお悩みの方はお気軽にご相談ください。
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