BtoBサイトリニューアルの進め方 成果につなげる設計と段取り
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BtoBサイトリニューアルの進め方 成果につなげる設計と段取り

執筆: ローカルマーケティングパートナーズ 編集部

監修: 山本 貴大

はじめに

BtoBサイトのリニューアルは、数年に一度の大きなプロジェクトです。デザインが古くなった、スマートフォン対応が不十分、問い合わせが増えないなど、きっかけはさまざまですが、リニューアルそのものが目的になってしまうと、公開後に「見た目は変わったけれど成果は変わらない」という事態に陥ります。

本コラムでは、BtoBサイトのリニューアルを「成果改善のプロジェクト」として進めるための実務プロセスを整理します。現状分析から要件定義、情報設計、CMS選定、SEOの引き継ぎ、公開後の運用体制まで、一連の流れを解説します。

リニューアルの目的を明確にする

リニューアルの最初の工程は、目的の言語化です。「デザインを今風にしたい」「競合に見劣りしないようにしたい」といった表面的な動機だけでは、プロジェクトの判断基準が曖昧になり、制作途中で方向性がぶれます。

BtoBサイトにおけるリニューアルの目的は、多くの場合「リード獲得数の増加」「問い合わせ品質の向上」「採用応募の強化」など、事業成果に紐づくものです。目的が複数ある場合は優先順位を決め、トップページや主要導線の設計判断に反映できるようにしておきます。

この段階で営業部門やカスタマーサクセスなど、サイトに関わるステークホルダーの意見を集めておくと、後工程での手戻りを減らせます。

現状分析とデータの活用

目的が定まったら、現状のサイトがどのような状態にあるかを定量・定性の両面で把握します。

GA4によるアクセス解析

GA4では、流入経路別のセッション数、ページごとの閲覧数と離脱率、コンバージョンまでの経路などを確認します。リニューアル前のベースラインを数値で押さえておくことで、公開後の効果検証が可能になります。

特に注目すべきは、コンバージョンに近いページの離脱率です。サービスページや料金ページで離脱が多い場合、情報の過不足や導線の問題が疑われます。

ヒートマップの活用

GA4だけでは「なぜ離脱したか」まではわかりません。ヒートマップツールを導入すると、ページ内のどこまでスクロールされているか、どこがクリックされているかが可視化されます。CTAの位置が悪い、重要な情報がファーストビューに収まっていないなど、具体的な改善点の発見に有効です。

また、現行サイトの分析と並行して、競合サイトのベンチマーク調査も行いましょう。同業他社のサイト構成、コンテンツの充実度、コンバージョン導線の設計などを比較することで、自社サイトに不足している要素が見えてきます。

要件定義の進め方

現状分析の結果をもとに、リニューアルで「何を変えるか」「何を維持するか」を定義します。要件定義が曖昧なまま制作に入ると、制作会社とのコミュニケーションコストが膨らみ、スケジュールが延びる原因になります。

要件定義で整理する主な項目は以下の通りです。

  • サイトの目的と成果指標(KGI/KPI)
  • 対象ユーザーとその行動シナリオ
  • 必要なページとコンテンツの一覧
  • CMS・インフラの要件
  • デザインの方向性(トーン&マナー)
  • スケジュールと予算の制約

この段階でRFP(提案依頼書)を作成しておくと、複数の制作会社に見積もりを依頼する際にも比較がしやすくなります。

情報設計とサイトマップ

要件が固まったら、サイト全体の構造を設計します。BtoBサイトの情報設計では、訪問者の「検討フェーズ」に合わせた導線設計が重要です。

初回訪問の見込み客は、まずサービス概要や実績を確認し、興味を持てば詳細ページや事例へ進みます。比較検討中の訪問者は、料金体系や導入フローを重点的に見る傾向があります。こうした行動パターンに合わせて、ページの階層構造とナビゲーションを設計します。

サイトマップの作成では、既存サイトのページ一覧をスプレッドシートに整理し、「残す」「統合する」「新規作成する」「削除する」を1ページずつ判断していきます。ページ数が多いBtoBサイトでは、この整理を怠ると不要なページが残り続け、ユーザーの回遊性を下げる原因になります。

CMS選定の判断軸

BtoBサイトのリニューアルでは、CMSの見直しも検討対象になります。WordPress、HubSpot CMS、microCMSなどヘッドレスCMS、あるいはAstroのような静的サイトジェネレーターまで選択肢は幅広く、自社の運用体制に合った選定が必要です。

判断の軸は主に3つあります。第一に、社内の更新頻度と担当者のリテラシー。更新頻度が高くエンジニアがいない環境では、GUIで操作しやすいCMSが適しています。第二に、マーケティングツールとの連携。MAやフォームツールとの接続が必要な場合、API連携の柔軟性が求められます。第三に、セキュリティと運用コスト。WordPressはプラグイン管理やアップデート対応の負荷がかかるため、運用体制が手薄な場合は別の選択肢を検討する価値があります。

SEOを壊さないリダイレクト設計

リニューアルで最も見落とされやすく、かつ影響が大きいのがURLの変更に伴うSEOへの影響です。既存ページが検索エンジンから評価を受けている場合、URLが変わると評価がリセットされ、検索順位が大幅に下がるリスクがあります。

対策の基本は、旧URLから新URLへの301リダイレクトの設定です。すべてのページのURL対応表を作成し、1対1で正確にリダイレクトを設定します。トップページへの一括リダイレクトは、SEO評価を引き継げないため避けましょう。

また、リニューアルに伴ってページタイトルやmeta descriptionを変更する場合も注意が必要です。検索結果に表示される情報が大きく変わると、クリック率に影響します。既存の検索流入が多いページについては、titleタグの変更は慎重に行いましょう。

公開前にはリダイレクトの動作確認を必ず行い、公開後もGoogle Search Consoleでクロールエラーやインデックス状況を継続的に監視します。

公開後の運用と改善体制

サイトは公開して終わりではなく、公開後の運用と改善が成果を左右します。リニューアル直後は、GA4やSearch Consoleのデータを週次で確認し、想定通りの動きになっているかをチェックします。

特に公開後1〜2か月は、リニューアル前と比較してコンバージョン率や直帰率が悪化していないかを注視します。悪化が見られた場合は、デザインや導線の調整を早期に実施することが重要です。

中長期的には、コンテンツの追加・更新を継続する運用体制の構築が不可欠です。コラムや事例の定期的な発信、サービスページの改善、フォームの最適化など、サイトを「育てていく」意識を組織全体で共有できるかどうかが、リニューアルの投資対効果を決めます。

運用体制を設計する際には、「誰が」「どの頻度で」「何を更新するか」を具体的に決めておくことが大切です。担当者が曖昧なまま公開すると、半年後にはコンテンツの更新が止まり、リニューアル前と同じ課題を抱えることになります。

まとめ

BtoBサイトのリニューアルは、見た目の刷新ではなく事業成果の改善を目的に据えることが出発点です。現状分析で課題を可視化し、要件定義で判断基準を明確にし、情報設計でユーザーの行動に沿った構造を組み立てる。CMS選定やリダイレクト設計といった技術的な判断も、すべて「公開後に成果を出し続けられるか」という視点で行います。

リニューアルは一時的なイベントではなく、継続的な改善サイクルの起点です。公開後の運用体制まで含めて計画することで、投資に見合った成果を得ることができます。

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執筆

ローカルマーケティングパートナーズ 編集部

山本 貴大

監修

山本 貴大

代表取締役 / 株式会社ローカルマーケティングパートナーズ

株式会社ローカルマーケティングパートナーズ代表取締役。BtoBマーケティング支援に特化し、戦略設計から施策実行まで一気通貫で担うBPO型支援を推進。中堅・成長企業を中心に、マーケティング組織の立ち上げ・運用改善の実績多数。

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