クリニックのMEO対策は、地域の患者がGoogleマップ・Google検索で医療機関を探す行動が定着した現在、新規集患の主要チャネルです。「地域名+診療科」「症状名+近く」「駅名+クリニック」といった検索行動は1日に数千万回発生しており、ここで上位表示できるかが3〜10年スパンの集患力を左右します。本記事では、診療科別の具体策・医療広告ガイドラインに沿った口コミ運用・症状名×地域KWの捕捉まで、クリニックMEOの実務を整理しました。
クリニックMEOが集患を左右する3つの理由
患者の医療機関選びは、検索行動の変化で大きく様変わりしました。MEOへの本格的な取り組みが必要となる背景を整理しておきます。
患者の8割がGoogle検索・Googleマップで医療機関を探す
スマートフォン保有率が96%を超え、医療機関選びの初動はほぼ全てがGoogle検索・Googleマップに集約された状況。患者が「地域名+診療科」「症状+近く」で検索したときに、地図枠(ローカルパック)の上位3件に表示できるかが、来院数の大半を決定づけます。マップ枠は通常の検索結果より上位に表示される構造のため、SEOで1位を取るより、MEOで3位以内に入る方が新規集患では効率がよいケースも多くなります。
競合の医療機関も同じ場所で戦っている
同一エリアの同じ診療科は、患者の検索結果で直接ぶつかる構図。10年前に開業した競合医院がMEO対策をしていない一方、新規開業医院が初年度からMEOに本気で取り組めば、エリアでの認知シェアを短期で逆転できる可能性があります。MEOは「先行者有利」と「新規参入者の逆転チャンス」の両方が成立する珍しいチャネル。
集患コストが他の広告チャネルより圧倒的に低い
MEOの主要施策(GBP整備・写真追加・投稿・口コミ管理)は基本的に費用ゼロで始められる点が強み。Web広告のように毎月CPCを払い続ける必要がなく、運用工数だけで成果が積み上がる仕組みになっています。1患者あたりの獲得コストで見ると、Web広告がCPA1〜3万円なのに対し、MEOは数百円〜数千円で済むケースが大半です。
クリニックMEOの評価3要素
Googleはマップ検索結果の順位付けを、関連性・距離・知名度の3要素で決定。クリニックの場合、それぞれをどう強化するかが具体策に直結します。
関連性
ユーザーの検索意図と店舗情報の一致度を測る指標。「内科」で検索した患者に対し、業種カテゴリが「内科クリニック」に設定されているか、診療内容に「内科」「一般診療」が明記されているかが評価対象となります。複数診療科を掲げる場合は、主要カテゴリと副カテゴリの設定で関連性を強化できる仕組み。
距離
検索ユーザーの現在地から、医療機関までの物理的距離が評価対象。これは構造的に変えられない要素ですが、自院の商圏(駅徒歩10分・車5分等)を明確に把握し、その範囲内での競合との相対的な順位を確認する材料になります。
知名度
オフライン・オンラインでの認知の蓄積を示す指標。Web上では口コミ数・評価点数・他サイトでの被リンク・引用がシグナルとして機能します。クリニックでは口コミ数50件・平均星4.5以上を目安に運用すると、知名度シグナルが強化される傾向。
診療科別MEO設計の具体策
MEO対策の核心は、診療科別の患者検索行動の違いを理解することです。一般的なMEO記事では触れられない、診療科別の打ち手を整理します。
内科・一般内科
患者の検索KWは「地域名+内科」「駅名+内科」「内科+近く」が中心で、保険診療が前提のため料金訴求は弱め。重要なのを整理します。
- 診療時間の正確性(早朝・夜間・土日対応の有無は来院判断を左右)
- 予約可否の明示(電話予約・Web予約・当日受診可否)
- 風邪・インフルエンザ・健康診断などの一般的な対応症状の明示
「内科 ○○駅 土曜日」のようなロングテールKWの捕捉が新規集患に直結します。
小児科
検索KWは「地域名+小児科」「小児科+日曜」「予防接種+地域」が中心。保護者(母親)が検索の主体で、待ち時間・予約システム・院内環境への関心が高くなります。
- 院内の写真(待合室・診察室・キッズスペース)を10枚以上
- 予防接種の取り扱いワクチン一覧の明記
- 病児保育・午後診療の有無
口コミでは「先生の対応が優しい」「子どもが怖がらない」などの定性評価が来院判断を強く後押しします。小児科特化の集客設計は 小児科クリニックの集患マーケティング で詳しく整理しています。
皮膚科
保険診療(湿疹・アトピー・水虫等)と自費診療(美容皮膚科)の二軸があり、検索KWが分かれます。
- 保険診療層: 「地域名+皮膚科」「症状名+皮膚科」
- 自費診療層: 「地域名+シミ取り」「地域名+医療脱毛」「料金+治療名」
二軸両方を狙う場合、GBPの説明文・投稿で診療メニューを明確に分けて訴求するのが定石。皮膚科の集患設計は 皮膚科クリニックの集患マーケティング でさらに深く扱っています。
眼科
「地域名+眼科」が中心ですが、サブKWで「コンタクト処方+地域」「白内障+地域」「ICL+地域」など治療内容別の検索があります。日帰り手術対応のクリニックは「日帰り手術+眼科+地域」のKW捕捉が高単価診療への入口になります。
歯科
歯科は患者数が多く、MEO競合度が最も高い診療科の一つです。
- 「地域名+歯医者」「駅名+歯科」が基本KW
- 自費診療(インプラント・矯正・ホワイトニング)は「治療名+地域+料金」
- 予約システム連携(EPARK・歯科特化予約システム)とMEO情報の整合性が重要
MEOで上位表示しても、Web予約への導線が弱いと予約に繋がらないため、GBPの「予約」ボタン設定が成果を左右します。歯科特有のマーケティング戦略は 歯科クリニックのマーケティング で詳細に整理しています。
美容クリニック
完全に自費診療のため、検索行動が他診療科と大きく異なります。
- 「地域名+治療名」(地域名+ボトックス、地域名+ヒアルロン酸等)
- 「料金+治療名」(脱毛+料金、シミ取り+料金)
- 「クリニック名指名検索」が高比率(指名検索の流入を取り逃さない設定)
写真クオリティ・症例写真の量・院内の高級感が知名度シグナルに直結します。
整形外科・リハビリ系
「地域名+整形外科」が中心、サブKWで「腰痛+地域」「肩こり+地域」「リハビリ+地域」など症状別検索が多くなります。
- 物理療法・運動療法の設備写真
- リハビリスタッフの体制(理学療法士の人数)
- 交通事故・労災対応の明示
高齢者の来院が多いため、口コミの読みやすさ・写真の見やすさへの配慮が来院判断に効きます。
保険診療と自費診療のMEO戦略の違い
クリニックMEOで最も差が出るのが、保険診療中心の医院と自費診療中心の医院の戦略の違いです。
保険診療中心のクリニック
- 「地域名+診療科」「症状+近く」のKW捕捉が中心
- 価格訴求は不要(保険診療で料金差はない)
- 利便性訴求が中心(駅徒歩・診療時間・予約可否・待ち時間)
- 口コミ数の量と評価点数で勝負
来院後のリピート率が高いため、初診患者の獲得を月10〜30件で安定させることが目標になります。
自費診療中心のクリニック
- 「治療メニュー+地域」「料金+地域」のKW捕捉
- 価格・治療実績の透明性が来院判断を左右
- 写真・症例(医療広告ガイドライン準拠の範囲で)が知名度シグナル
- 平均客単価が10万円を超えるため、月10件の新規でも収益インパクトが大きい
高単価のため、CPAは保険診療より高くなりますが、収益貢献度ベースで見ると投資対効果は十分に成立します。
混合型クリニック(保険+自費)
皮膚科・歯科・整形外科は保険と自費の両軸を持つケースが多く、GBPの整備で両方の患者を取り込む設計が必要。GBPの説明文・投稿で診療メニューを明確に分け、来院後のカウンセリングで自費診療へ案内する流れを構築します。
Googleビジネスプロフィールの必須整備項目
クリニックMEOの基盤は、Googleビジネスプロフィール(GBP)の整備です。最低限以下の項目を完備します。
基本情報
| 項目 | 設定のポイント |
|---|---|
| 医療機関名 | 法的医療機関名と一致(略称使用は順位低下リスク) |
| カテゴリ | 主要診療科を主カテゴリに、副カテゴリも最大10まで設定 |
| 住所 | 番地まで正確に、入口の写真も登録 |
| 電話番号 | 院の固定番号(個人携帯NG) |
| Webサイト | 公式HPの予約ページに直接リンクすると効果的 |
| 営業時間 | 休診日・昼休み・祝日対応を正確に。臨時休診の都度更新 |
拡張情報
- 業種属性: 「予約可」「ウォークイン受付」「バリアフリー対応」「駐車場あり」など医療機関に必須の属性を全選択
- 診療メニュー: 主要な診療内容を箇条書きで登録
- 商品・サービス: 自費診療メニューと料金(医療広告ガイドライン準拠)
写真・動画
クリニック向けに推奨される写真構成を整理します。
- 外観: 入口・看板・建物全景(3〜5枚)
- 内観: 受付・待合室・診察室・処置室(10枚以上)
- スタッフ: 院長・スタッフの集合写真(プライバシー配慮)
- 設備: 主要医療機器・検査機器
- 動画: 院内紹介・院長挨拶(30秒〜60秒)
写真は月1〜2枚の追加更新で「アクティブなクリニック」のシグナルになります。
症状名+地域KWの捕捉戦略
クリニックMEOで競合に差をつける打ち手が、症状名×地域のロングテールKW捕捉です。
症状KWの優先順位
患者が自身の症状で検索するパターンは、診療科より具体的です。例えば内科なら以下のような検索が日々発生しています。
- 「咳が止まらない 病院 ○○駅」
- 「微熱が続く 内科 ○○区」
- 「健康診断 オプション ○○市」
これらのKWは検索ボリュームは小さいものの、来院意欲が極めて高い顕在層からの検索です。
GBP投稿での症状KW露出
GBP投稿(イベント・最新情報)で、月2〜4本のペースで症状KWを含む投稿を行います。
- 「花粉症シーズン到来 当院での治療法について」
- 「インフルエンザワクチン接種を開始しました」
- 「腰痛でお困りの方へ 当院の運動療法のご案内」
これらの投稿は90日でアーカイブされますが、その間にGoogleが症状KWとの関連性を学習し、検索結果での露出が増えます。
Q&Aセクションでの先回り回答
GBPのQ&Aセクションで、患者が抱きやすい質問に院側から先回りで投稿・回答します。
- 「初診の流れを教えてください」
- 「保険証は毎回必要ですか」
- 「予防接種の予約は当日可能ですか」
患者の検索ニーズに先回りした情報整備が、来院前の信頼形成に繋がります。
医療広告ガイドラインを守った口コミ運用
クリニックの口コミ運用は、医療広告ガイドライン・医療法に違反するリスクが他業種より高い領域です。実務で守るべきポイントを整理します。
違反となる典型例
- 患者に謝礼・割引・物品を渡して口コミを依頼(誘引行為)
- 院側が患者のふりをして口コミを書く(虚偽広告)
- 治療効果を断定する文言(「必ず治る」「100%効果あり」)
- 比較広告(「○○クリニックより安い」)
- ビフォーアフター画像の無条件掲載(限定解除要件未充足の場合)
違反にならない口コミ獲得施策
- 来院後の自動メールで「口コミにご協力ください」のリンクを送付(謝礼なし)
- 院内QRコードでGBP口コミページに誘導
- 受付スタッフから自然な声がけ(押し付けない)
- 治療満足度アンケート→希望者に口コミ依頼
口コミ返信の実務
- 高評価には3日以内に感謝の返信
- 低評価には感情的にならず、改善姿勢を示す返信(誹謗中傷でない限り削除依頼ではなく対応)
- 個別の治療内容・患者氏名は返信に書かない(プライバシー保護)
- テンプレ返信は避け、口コミの内容に即した返信を行う
医療機関の信頼性は「低評価への対応」で判断される傾向に。星1の口コミへの誠実な返信が、他の閲覧者の来院判断に大きく影響します。
不適切な口コミへのGoogle削除申請
明らかに事実と異なる口コミ・誹謗中傷・なりすまし投稿・他院による組織的な低評価攻撃などは、Googleへ削除申請が可能です。手順の概要を整理します。
- GBP管理画面の該当口コミから「不適切なクチコミとして報告」を選択
- 該当する違反理由(なりすまし/虚偽の情報/誹謗中傷等)を選択して送信
- 1〜2週間程度でGoogleからの審査結果が通知される
- 削除されない場合、追加情報の提出または弁護士経由での法的削除請求を検討
削除申請の通過率は40〜60%程度で、明確に違反と判断される投稿のみが削除対象となります。「単に低評価だから」「内容に不満があるから」の理由では削除されません。削除申請に過度な期待を持たず、口コミの絶対数を増やして低評価の影響を希釈する戦略が現実的です。
投稿・写真・Q&Aの運用設計
MEO順位の維持・上昇には、GBPの継続運用が不可欠です。週次・月次の運用フォーマットを定型化することで、運用負荷を最小化できます。
週次運用(週1時間)
- GBP投稿1本(診療情報・キャンペーン・時節ネタ)
- 新規口コミへの返信
- 写真1枚追加(院内・スタッフ・設備)
月次運用(月1〜2時間)
- 投稿のパフォーマンス確認(閲覧数・クリック数)
- 競合医院の口コミ数・評価点数のチェック
- 診療時間・休診日の翌月予定の更新
- Q&Aセクションの新規質問への回答
四半期運用(年4回・各2〜3時間)
- 写真の総点検と質の低い写真の差し替え
- カテゴリ・属性設定の見直し
- 業種KWのトレンド変化に応じた説明文更新
MEO×SEO×ホームページの三位一体運用
クリニックの集患でMEOを最大限活かすには、SEO(ホームページの検索順位)とWebサイトの予約導線を含めた三位一体で運用する必要があります。
MEO単独の限界
GBPで上位表示しても、リンク先のホームページが情報不足だと予約に繋がりません。GBPの「Webサイト」ボタンから飛んだページが、診療メニュー・料金・医師プロフィール・予約導線を網羅していないと、患者は離脱します。
ホームページの設計は クリニックの集客方法 クリニック開業時の集患マーケティング で詳しく扱っています。
SEOで指名検索を守る
「医院名」での指名検索が増えるほど、Googleからの知名度シグナルが強化される構造。ホームページのタイトル・H1に医院名と地域名を明示し、指名検索からの流入を取り逃さない設計を組みます。
予約導線の整備
GBP→ホームページ→予約完了までを3クリック以内に設計します。Web予約システム(EPARK・歯科特化系・自社開発予約システム)の導入が、MEO経由の予約完了率を大きく押し上げます。
クリニックMEOでありがちな失敗5パターン
支援現場でよく見る失敗パターンを整理します。
失敗1: 情報を登録したきり放置
GBPの情報は登録した時点で終わりではなく、継続更新が前提です。3〜6ヶ月放置しただけで、競合医院に順位を抜かれるケースが多くなります。
失敗2: 法的医療機関名と表記が違う
「○○クリニック」と「○○医院」のように、保険医療機関の指定名と異なる表記をGBPで使うと、Googleが信頼性を疑い順位が下がる場合があります。
失敗3: 写真がプロ撮影ではなくスマホ撮影のみ
クリニックの場合、第一印象が来院判断を強く左右する要素。スマホ撮影の暗い写真だけだと、競合のプロ撮影写真に視覚的に劣り、クリック率が下がる構造に陥ります。
失敗4: 口コミ依頼が誘引行為になっている
「Googleで★5評価してくれたら次回診療費500円割引」のような施策は、医療広告ガイドライン違反に該当。発覚すると行政指導の対象となり、医院の信頼を失うリスクが顕在化します。
失敗5: 低評価への感情的な反論
低評価への返信で「事実と異なります」「悪意ある投稿です」などの感情的な反論を書くと、他の閲覧者からの印象が悪化します。冷静に改善姿勢を示す返信が、結果的に医院の信頼を高めます。
MEO業者への外注と内製の判断基準
クリニックMEOを内製でやるか外注するか、判断軸を整理します。
内製が向いているケース
- 院長または事務スタッフが週1時間の運用時間を確保できる
- 月予算をWeb広告・ホームページ改善に集中させたい
- 投稿内容・写真選定を院の方針で柔軟に決めたい
内製の場合、初月だけ専門家の支援を受けてGBPの基本整備を完了させ、その後は月1時間の運用で十分に成果が出ます。
外注が向いているケース
- 院長が診療に集中したい、運用時間を確保できない
- 競合医院がMEO業者に外注しており、戦略的な対抗が必要
- 月予算3〜10万円を確保できる
- 短期間(3〜6ヶ月)で順位を引き上げたい
外注の場合、月額契約で3〜10万円が相場です。「順位保証あり」を謳う業者は、ブラックハットなSEOを使うケースがありリスクが高いため避けます。
悪質MEO業者の見分け方
近年、医療機関を狙った悪質なMEO業者によるトラブルが増えています。以下の特徴を持つ業者は契約を避けてください。
- 順位保証(「3ヶ月で1位を保証」等)を契約条件に盛り込んでいる
- 被リンク販売・口コミ代行(架空口コミの投稿)をサービスに含む
- 患者へ謝礼を提示しての口コミ依頼を提案する
- 契約期間の縛り(12〜24ヶ月)が長く、中途解約に高額違約金を設定
- 月次レポートがGBPの数値そのままで、改善提案が伴わない
これらはGoogleのスパムポリシーや医療広告ガイドライン違反を伴うリスクを内包し、自院が処分対象になる可能性も。契約前に過去の支援実績の医院名・担当者を開示できるかが、信頼できる業者かの判断材料となります。
ハイブリッド型(推奨)
戦略設計・口コミ獲得施策・KW選定だけ外部のコンサルに依頼し、日次運用(投稿・写真追加・基本情報更新)は内製で回す形が、費用対効果が最も高い構成です。月3〜5万円の初期サポート(3ヶ月)を経て、その後は内製に切り替えるパターンが一般的です。
MEO成果測定の指標と分析サイクル
MEO対策の効果は、感覚ではなく数値で追跡するのが鉄則です。クリニックで追うべき指標と分析の頻度を整理します。
週次で確認する指標
- GBPの表示回数(検索インプレッション)
- マップ表示回数
- 主要KW(地域名+診療科)での順位
- 新規口コミ数
- 投稿のリーチ数
GBPのパフォーマンス画面から、上記指標を週次で確認します。前週比で大きな変動があれば、原因(休診日・キャンペーン・季節要因等)を即座に把握できます。
月次で確認する指標
- 来院数のうちGBP経由の比率(問診票・受付ヒアリングで把握)
- 「Webサイトクリック」「電話タップ」「ルート検索」のアクション数
- 競合医院(半径2km以内)の口コミ数・評価点数の推移
- 主要KWでの自院の順位推移
月次レポートは医院長が10分で把握できる1ページサマリにまとめ、改善判断を継続できる仕組みを作ります。
四半期で確認する指標
- 新規来院患者数に占めるMEO経由比率
- 患者単価(初診)とMEO経由患者のLTV比較
- MEO運用工数(または外注費)とのROI算出
- 競合医院との順位変動の3ヶ月トレンド
四半期単位で投資対効果を判定し、運用方法の見直し(内製→外注、外注先の変更、運用工数の増減)を行います。
来院経路の把握方法
GBPの数値だけでは「実際にMEO経由で来院したか」を判定できません。問診票に「当院を知ったきっかけ」の項目を設け、選択肢を「Google検索/Googleマップ/紹介/通りすがり/その他」とすると、MEO経由の来院数を直接把握できる仕組みを作れます。問診票で集めたデータは月次でGBPの数値と照合し、来院経路の構造を可視化していきましょう。
AI検索時代のMEOとLLMO対応
2024年以降、ChatGPT・Gemini・Perplexityなど生成AIによる医療機関検索が増えてきました。MEO単独では到達できない領域への対応も視野に入れる必要があります。
Google AI OverviewとMEOの関係
Googleの検索結果ページ上部に表示される「AI Overview」(旧SGE)は、地域名+診療科の検索でも一部表示されるようになりました。AI Overviewが表示されると、従来の地図枠より上に概要情報が出るため、表示順位の概念が変わります。
AI Overviewに引用される医療機関は、以下の特徴を持つ傾向です。
- 公式サイトに診療内容・医師プロフィール・料金が体系的に記述されている
- E-E-A-T(専門性・権威性・信頼性)シグナルが強い
- GBPの情報が充実し、口コミ評価4.5以上が多い
- 第三者サイト(医療系メディア・地域情報サイト)からの言及・被リンクが多い
つまりMEO単独ではなく、ホームページのコンテンツ整備とE-E-A-T強化が並行して必要となります。
ChatGPT等の生成AI検索への対応
ChatGPT(GPT-4以降)やPerplexityで「東京の評判の良い内科」「○○駅の歯科でインプラントが上手いところ」と質問する患者が増えてきました。これらAIは公開情報を学習・検索して回答するため、医院の情報が公開Web上に十分に存在する必要があります。
対応のポイントは以下です。
- 医院名+診療内容のFAQページを公式サイトに整備
- 医師の経歴・所属学会・専門医資格をスキーマ.org形式で構造化
- 第三者サイト(medical.jiji.com、毎日が発見等)への露出を意識的に増やす
- GBPの「サービス」「メニュー」「Q&A」をAIが引用しやすい粒度で整備
LLMO(Large Language Model Optimization)の基本
生成AI時代のSEO/MEOの新概念として、LLMO(言語モデル最適化)が提唱されています。クリニックの場合の対応は以下4点に集約されます。
- 医療従事者プロフィールと診療実績の構造化データ化
- 患者の質問に直接回答する形式のFAQページ強化
- 信頼できる引用元(厚労省・学会・大手医療メディア)への言及
- 自社サイトの体系的なリンク構造(診療科→詳細→症例→FAQ)
LLMO対応の本格的な取り組みは2025年後半から大手医療機関で始まりました。中小クリニックは2026年下半期から段階的に着手するのが現実的なロードマップです。
多店舗展開クリニックのMEO運用
医療法人・グループ医療など複数店舗を運営する場合、MEOの運用設計は単店舗と大きく変わります。
店舗ごとのGBP独立運用
複数店舗を1つのGBPで管理することは不可。Googleのポリシーで、各店舗は独立したGBPを持つ必要があります。
- 各院ごとに法的医療機関名・住所・電話番号を独立登録
- 院長・常勤医師の情報も各院で個別登録
- 写真・口コミ・投稿も各院で独立運用
統一ルールと個別運用のバランス
ブランド統一感を保ちつつ、地域特性に応じた個別運用を許容する設計が必要となります。
- 統一ルール: ロゴ・写真トーン・診療方針の表現
- 個別運用: 地域名・最寄駅・各院の特色(夜間対応・駅近等)
統一だけだと「どの院も同じに見える」と評価され、個別運用だけだと「グループとしての信頼性」が伝わらない構造に。両者のバランスが課題となります。
本部による集中管理
GBPの管理権限は本部の広報・マーケ部門で一括管理する形が標準。各院の事務スタッフに分散させると、運用品質にばらつきが出ます。
- 月次の投稿・写真追加は本部で計画
- 口コミ返信は各院ベースで対応(個別の医療内容に触れる必要があるため)
- 基本情報更新(診療時間・休診日)は本部に集約
グループ全体でのMEO効果測定
複数店舗のMEO効果は、グループ全体の月次レポートで比較管理。各院の順位・口コミ数・閲覧数を一覧化し、上位院のノウハウを下位院に横展開する流れを作ります。
開業初期と開業後のMEO戦略の違い
クリニックの開業フェーズに応じて、MEOの優先施策は変わります。それぞれの段階で集中すべきポイントを整理します。
開業前(開業3ヶ月前〜)
開業前の段階からGBP整備を始めることで、開業初月から検索結果に表示される状態を作れます。
- GBPの仮登録(住所・電話・診療予定時間)
- 内装工事中の写真投稿で「開業準備中」のシグナル化
- 開業日の事前告知投稿
- 院長プロフィール・経歴の整備
開業日にGoogle検索結果に出てこないクリニックは、開業初月の集患で大きく出遅れます。逆に開業前から準備したクリニックは、開業1週間で口コミが集まり始めます。
開業1〜3ヶ月
開業初期は、患者の初診獲得とGBPの情報蓄積を並行で行います。
- 来院患者への口コミ依頼の仕組み化(QRコード・自動メール)
- 週2〜3本のGBP投稿(診療開始情報・健康トピック)
- 写真の継続追加(週1〜2枚)
- 競合医院との差別化要素の明示(夜間診療・予約システム・駅近等)
この段階で口コミ20件・評価4.5以上に到達できると、開業4ヶ月目以降の新規集患が加速します。
開業4〜12ヶ月
順位の安定化と、季節要因への対応が中心になります。
- 季節別の症状KWを狙った投稿(花粉症・インフルエンザ・夏バテ等)
- 健康診断・予防接種シーズンへの先回り告知
- 口コミ50件突破を目指した継続施策
- 競合医院の動向確認(新規開業・既存医院のMEO強化)
開業1年以降
維持運用のフェーズに入り、新規施策よりも継続性が重要になります。
- 月次の定型運用(投稿・写真・口コミ返信)
- 患者の年代・症状別の検索ニーズの変化への対応
- 自費診療メニュー追加時のGBP情報更新
- リブランディング・診療内容変更時のGBP全面リフレッシュ
開業期の集患設計全般は クリニック開業時の集患マーケティング で時系列での施策設計を扱っています。
クリニックのMEO・集患マーケティングのご相談はローカルマーケティングパートナーズへ
診療科・立地・自費/保険診療の構成に応じて、MEO戦略の立案からGBP運用、ホームページ改善、Web広告との連携までを一気通貫で支援しています。医療広告ガイドラインを踏まえた口コミ運用のサポートも可能です。